アイドルを傷つけてしまった!!――勝手に暴走し、勝手に謝罪し、勝手に救われた身勝手なヲタクの話

その日、平日にも関わらず、数時間だけぽんと予定が空きました。せっかくだからライブ行こうかなと調べたら、おお、あるある。平日の昼間から開催しているライブ、結構あるんですね。

そのなかで選んだのは、GIRLS BOX VOL.199(新宿ReNY)。理由は、PinkySpiceを生で見てみたかったから。

PinkySpice(以下ピンスパ)は、以前、グループ紹介の記事を書いたときに、そのパフォーマンスに引き込まれ、いつか生で見たいと思っていたグループでした。

それともうひとつ。

ライブ前日、ピンスパメンバーの神木祐希さんが、現状における本音(に自分は見えました)を吐露していました。そういった感情の見えるアイドルさんが大好きなのです。なので、神木さんに直接ご挨拶したいと思いました。

しかし、その判断が、あんな苦悩の日々を招くことになるとは……。

はじまりの「きっかけ」

ピンスパのライブは、思っていた以上に大迫力でした。見にきて良かった。心からそう思いました。

でもせっかくきたのだから、他のグループも見たい。今回、ピンスパでお話したいメンバーは2人。10分前でも大丈夫だろうと、ギリギリまでライブ会場にいました。

結論から言えば、チェキ券を2枚購入したものの、神木さんを回れず締め切り。完全なる時間配分ミスです。

でも、そのときはそこまでのショックはありませんでした。余ったチェキ券は次回に使えます。またお話できるチャンスはある。

ライブ終了後、今度お話するときの「きっかけ作り」も兼ねて、神木さんにこんなリプを送りました。

「今日はじめてPinkySpiceのライブを見ました。見ようと思ったきっかけは神木さんです。神木さんのパフォーマンスを生で見たい。そう思いました。 結果的に、行ってよかったです。本当にすばらしかったです。今度は直接その言葉を届けにいきます。きっかけになってくださり、ありがとうございました。」

嘘はありません。本当にそのままの気持ちです。

そのリプに対し、神木さんから直接の反応はありませんでした。ただ、その日の夜、こんなツイートがありました。

!!!???

そしてここから、苦悩の日々がはじまりました。

思考の迷路

神木さんのツイートが自分に対してかはわかりません。わかりませんが、「傷つけてしまった」という思いが頭から離れません。

何度も自分のリプを見返しました。何度も当日の行動を思い起こしました。そして神木さんの心境を勝手に想像しました。

わたしのパフォーマンスは良くなかったのかな。
わたしはただのきっかけでしかなかったのかな。

もちろんこれは勝手な想像です。勝手な想像ですが、悪い想像は止まりません。なんでちゃんと伝えなかったんだ。なんでもっと早くに並ばなかったんだ。なんであんなリプを送ったんだ。かっこつけて「きっかけです」とか後で言うぐらいなら、なんでそれを直接伝えなかった。その場にいたのに。

もう本当にめんどくさいヲタクです。相手に確認もせず、ひとりで思考の迷路に突入してしまいました。この迷路から脱出する方法はひとつ、直接話に行くことです。

スケジュールを調べると、数日後にピンスパが出演する対バンライブがあります。会場は同じ。平日ですが、予定を詰めれば行けないことはない。いや、これ以上に重要な予定があってたまるか!

でも……いったいどう切り出せばいいのか。

自分が勝手に思い込み、ただ暴走しているだけかもしれません。なのに、「すみませんでしたっ!!」といきなり謝ったら、なんだこいつ?です。逆に、本当に傷つけていたとしたら、その張本人となんて会いたくないはず。

悩みました。心底悩みました。前売券を逃し、当日券しか買えなくなる時間まで悩みました。

でもきっと、このままうやむやにしてしまったら、ピンスパを今後二度と見れなくなります。それは嫌だと思いました。あのパフォーマンスに心を打たれた者として、これからも見ていきたい。そのためには、この気持ちに決着をつけなくてはいけません。

そして、当日券を購入し、ピンスパの出番を待ちました。会場はオールスタンディング。一番後ろでステージを眺めながらも、膝ががくがく震えます。緊張で喉がからからでした。

まだ考えはまとまりません。まとまらないままステージに、ピンスパが、神木さんが現れました――。

ひとりよがりの着地点

ピンスパのライブ中、他のメンバーには申し訳ないですが、神木さんを見続けました。推しカメラのごとく、視界には彼女しかありません。

小さな体で躍動する神木さんは、本当に輝いていました。おべっかで言っているわけではありません。ああ、このパフォーマンスを見たかったんだ。このパフォーマンスを称える言葉を送りたかったんだ。謝罪なんかじゃなく、「すばらしかったです!」、その言葉だけを伝えたかったのに……。

ライブ終了後、すぐ特典会に行きました。なにから話すか。まだ答えは出ていません。でもここまできました。逃げてしまえば、ずっと悩み続けるだけです。

しかし、まさか勢い余って、神木さんの「鍵開け」になってしまうとは……。列に並んで、考えをまとめる時間もありません。

「はじめまして……」

混乱が表に出ないよう、できるだけ冷静に言いました。いつもなら、その後に名前を名乗ります。チェキにサインを書いてもらうためです。でも、躊躇してしまいました。自分の名前を聞いて神木さんがどう反応するか。それが怖かったからです。

名乗らない自分を見て、神木さんは名前を聞いてくれました。

「雪崩式ジャーマンといいます……」

そういったときの神木さんの反応、今でもはっきり覚えています。

「ああ!」

と笑ってくれました。明らかに「知っている」リアクション。でも拒絶は感じませんでした。むしろ受け入れてくれた。そう思えました。その笑顔で、気持ちがすっと落ち着きました。本当に救われた気持ちになったのです。

あとは、神木さんに正直に気持ちを伝えました。1回じゃ足りません。結局、3ループしました。勝手に暴走し、勝手に謝罪し、勝手に救われた身勝手なヲタクの話を、神木さんは真剣に聞いてくれました。

神木さんのツイートの真意はわかりました。自分のことじゃないこともわかりました。それでも、特典会の場で、「あなたのせいです」とは言えないでしょう。少なからず神木さんを傷つけてしまった後悔を何度も伝えました。

「優しいね」

神木さんはそう言ってくれました。違うんです。優しいのは神木さんです。勝手に思い込んですみませんでした。神木さんの優しさに触れ、ここ数日の悩みが晴れたとき、目の前の女性が救いの女神のように見えました。

語るなら「未来」を

これで気持ちが晴れました。その余韻のまま、違うグループのライブを見ていると、なにか心に引っかかるものを感じました。なにか大事なことを伝え忘れている気がする……?

あ!

慌てて特典会ブースに戻り、「何度もすみません」とスタッフさんからチェキ券を購入。すぐに神木さんに並びました。

「大事なことを伝え忘れてました」

神木さんは、なに?という表情を向けてくれます。

――

この数日、ずっと神木さんを考えていました。もし、神木さんをなんとも思っていなかったら、ここまで悩まず、すぐに忘れていたでしょう。アイドルは山ほどいます。相性が悪かったと思い、新しいアイドルにいけばよかった。

なのに、なんで神木さんにこだわったのか。直接気持ちを伝えたかったのか。

それだけ神木さんが魅力的だったからです。そして、ピンスパが魅力的だったからです。こんなことで、このすばらしい縁を切りたくなかった。

そう、すっかり神木祐希という存在にハマっていたのです。

だから――。

――

「神木さんのこと、これからも応援します」

きっかけだけで終わりじゃない。きっかけであり、すばらしいパフォーマンスを見せてくれて、心をわしづかみにしてくれた神木さんを応援する。応援したいと思える存在に出会えた。

おもえば、「過去」のことばかり伝えていました。後悔や言い訳ばかり。でもそれじゃ、あのリプと同じ。「未来」を語らなければ、来た意味がありません。

だから、これからも応援します。それが一番伝えたかったこと。

「嬉しい」と言ってくれた神木さんを裏切らない。そう固く誓いました。

一線を越えてしまいそう

こんなブログを作っているぐらいですから、わたしは根っからのDDです。KSDDです。浮気性でころころ転がっています。それでも、「応援します」と直接本人に伝えた。その言葉に嘘はつきたくありません。

しかし……改めて重たいヲタクですよね。

今回の件で悩んでいるとき、ある人から「そんなことじゃドルヲタやっていけないよ」と言われました。本当にそう思います。しかも自分ひとりで悩むだけじゃなく、直接、本人のもとに行くんですから。下手したら、余計に傷つけかねません。

でも、アイドルとファンは、人間と人間です。人同士である以上、心が触れ合う。だからきっと、これからも傷つき、そして、それ以上の幸せに出会えるのだと思います。人の可能性を見るって、素敵なことですよね。

最後に。

ピンスパの神木祐希さんへ。

お話した通り、ブログに書きました。これが包み隠さない自分の気持ちです。改めて、勝手に押し付けてすみませんでした。特典会終わりに、隅でこそこそしていた自分に手を振ってくれたこと、すごく嬉しかったです。

あれから、ピンスパの映像を探して、さらに神木さんの魅力にハマっています。

このままだと、もしかしたら、一線を越えてしまいそう……。

あ!これはピンスパの曲の歌詞で、本当に一線を越えるわけでは!怖がらないでくださいね!ね!?(そしてまた思考の迷路に突入する面倒なヲタクであった)

皆さんも、神木祐希さん、チェックお願いします!

たくさんの光が、あなたを包みますように!

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