『はじめての推しメンになってもらえますか?』――「いい推しの日」に告白した話

ライブアイドルにハマってもうすぐ1年半。たくさんのグループと出会い、たくさんのアイドルと話してきました。

そのなかでよく聞かれることがあります。

「推しメンは?」

その問いにずっと曖昧な答えをしてきました。

「好き」だし「応援」もするし気持ちも伝えます。けど「推す」とは言わない。推し」は決めない。それが自分で決めたルールだからです。

わたしはすごく頑固で、悪く言えば融通がききません。だからこの先もだれかを推すことはないだろう。そう思っていました。

でも11月4日、いい推しの日。

わたしはあるアイドルに、「推します」と言いました。

そのアイドルは、Milky✳︎Sphene(以下ミルスフェ)の南あすかさん――

「推す」と言わない理由

以前は推しメンと呼べる存在がいました。でも、その人を押しきることができなかった。「推します」と言ったのに途中で応援するのをやめてしまった。それは自分のなかで「裏切り」として心に残っています。

「推す」に定義はありません。軽い気持ちで言うのも、次から次へと推し変するのも、良い悪いは抜きにして楽しみ方としてはありだと思います。なので自分の推し方と違ったとしても、それを理由にだれかを否定するつもりはありません。

その前提において、わたしの考える「推す」という言葉はものすごく重いです。推しと名乗ったからには全力で最後まで絶対に推しきる。それができなければ「推し」なんて言葉を使うべきではない。そう思っています。

だから「推す」と言えないんです。自分というヲタクが、自分自身のそんな考えを貫けるとは思えないからです。

それに、誰かを「推し」と決めてしまったら他のメンバーに行くのに躊躇してしまいます。KSDDを承知で言えば、もっとたくさんのアイドルと出会いたいのです。そのためには特定のメンバーだけに力を使えません。

これらのことがライブアイドルを知ってから今まで「推す」と言わなかった理由です。

Milky✳︎Spheneの南あすか

わたしのKSDDっぷりをSNSから、そして雰囲気から感じ取るのか、「わたしを推しにしちゃいなよ」と言われた記憶はほとんどありません。「あまり強引に言ったら嫌がられるかな」という思いもあるのでしょう。その気配りに甘えてKSDDを謳歌していました。

……もしかしたら「この人に推されたら嫌だな」と思われているのかも、いや、その考えは悲しくなるので横にぽいしておきます。

で、ここで登場するのが今回の主役、ミルスフェの南あすかさんです。

「推す」と言わないわたしに対し、あすかさんはグイグイとアピールを繰り返しました。チェキの一言にしても、まぜる~むのオムライスお絵描きにしても、twitterやtiktokのコメ返でも、「あすか推し」と必ずといっていいほど書いてくれます。特典会で「推し変したかと思った」と拗ねたような顔をされたこともあります。

正直戸惑いました。あすかさんを「推す」と言ったことはありません。ここで素直に「それじゃ推します!」と言えれば全部丸くおさまります。あすかさんも喜んでくれるはずです。でも頑固な自分の性格がそれを許しません。

結果として、あすかさんとうまく話せない期間がおとずれます。あすかさんは変わらずに接してくれるのですが、自分が変に意識してしまい言葉に詰まってしまいます。

「推します」と言いたい。
「推しきる」自信がない。
だから言えない……。

そんな葛藤を抱えながら、それでも話したい気持ちが勝って特典会に行きます。なのにいざ目の前にすると、「なぜか緊張しちゃって……」「いろいろ話したいんですが……」と言葉に詰まる。最低です。「わたしと話したくないのかな」と思われたかもしれない。そんな妄想でさらに追い込まれます。

気づけばずっとあすかさんを意識している自分がいました。悲しませたくない、笑っていてほしい、そのためにどうすればいいか、どうすれば喜んでもらえるか、どうすればあなたに会えて幸せですと伝えられるか……。

そして悩んだすえに気づきました。

これってもう、「推しメン」に対しての気持ちじゃないかと。

「はじめての推しメンになってもらえますか?」

ミルスフェを知ったきっかけはあすかさんです。ミルスフェの存在を知らなかった頃、たまたま対バンで見かけて一番印象に残ったのがあすかさんでした。

それから何度も特典会で話をして、メンバーカラーの青色を振るようになり……、ここまできて「推す」と言わないほうが不自然です。

いまになって思えば、「推しきる自信がないんで……」と逃げ回っていた自分は滑稽でしかありません。あすかさんは真正面から気持ちをぶつけ続けてくれました。それに応えなかった自分がひどく恥ずかしいです。

最後まで推しきれる保証なんてどこにもありません。けど、いまあすかさんを好きな気持ちは本物です。その気持ちに素直になろうと思いました。

そんな思いをあすかさんにDMしました。運営が目を通しますがそれでも良いと思いました。一刻も早くこの思いを届けたい。そして今までの煮え切れない態度を謝罪したい。

その気持ちを長文で綴ったあと、こう書きました。

「はじめての推しメンになってもらえますか?」

重い。
我ながらめちゃくちゃ重いです。
本来確認する必要もありません。

けど、聞いておきたかったんです。
だってはじめてですから。

あすかさん。
あなたはわたしのルールを越えてくれました。
そんなのいいから推しなよ。
そう言って、強く手をひいてくれたんです。

この先、推したいと思うアイドルに出会うかもしれません。
でも、「最初」はずっと変わりません。

ライブアイドルではじめての推しメン。
それはミルスフェの南あすかさん、あなたひとりです。

いつまでも。

あすかとあすへ

これからなにが変わるんだろうと思います。

きっと変わらないことのほうが多いです。相変わらずいろいろなグループを見て、いろいろなアイドルに話しに行きます。

でも自分のルールを変えて「推す」と宣言した。ここから先はまだ見ぬ景色。推しメンがいるはじめての世界です。

そこでなにを見るか、もしかしたらなにかを失うかもしれません。あるいは、「推す」のハードルが下がって、次から次へと「推します!」と言うのかも。本当になにが起こるかわからない未知の世界。それでも一歩を踏み出したこの世界で得た感情を大事にしていきます。

プロポーズ並みに緊張した「推し宣言」をして、ふーっとため息をつきながらtwitterを見ると今日は「いい推しの日」とのこと。

いい推しの日、いい推しに告白し、そして、あすかとあす(明日)へ。

これからが楽しみですね、あすかさん。

素敵な未来を、新しい世界を、推す幸せを、ありがとうございます。

引用元:https://twitter.com/minami_asuka__/status/1583407604281544709

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