2022年4月29日「littlemore. 現体制終了LIVE」ライブレポート――リトルモアで世界は変わる

2022年4月29日に有楽町オルタナティブシアターで開催された「littlemore. 現体制終了LIVE」に行ってきました。

littlemore.(以下リトルモア)は、この日の時点で4名のグループでした。3月27日に星野桃叶さんが卒業し、今回のライブをもって、本條佳花さん、小平明日香さん、杉原莉夏さんの3名が卒業、リトルモアには小林みくりさんひとりが残ることで、現体制が終了となります。

わたしがリトルモアをはじめて見たのは、昨年の11月22日に開催された対バンライブ。それからたった数ヶ月。過ごした時間だけで見れば非常に少ないですが、とても濃密で、とても楽しい時を過ごすことができました。

その日々を振り返りながら、現体制終了ライブをクライマックスとして書いていきます。タイトルにはライブレポートとつけましたが、ひとりのヲタクの心の動きを描いたドキュメンタリーとしてご覧いただければ幸いです。

それではスタートです。

こうしてわたしはリトルモアと出会い、今の体制に別れを告げました。

きっかけは「いいね」

もともとわたしが地下アイドルの世界に興味を持ったのは、INFIY∞(以下インフィ)というグループがいたからです。インフィをもっと知りたい、インフィをもっと見たい。それがドルヲタになった初期のすべてでした。

なので、対バンライブも、インフィ以外はさほど興味はありませんでした。というより、慣れない地下アイドルのライブ、インフィ以外を考える余裕がなかったのが正直なところです。

そんなときです。

ある日の朝、twitterの通知欄を見てびっくりしました。本條佳花さん(以下よっぴさん)からの「いいね」が、数十件もきていたのです。

今でこそ、アイドルがファンの何気ないツイートを「いいね」するのはわかっています。でも当時は、アイドルからの「いいね」に慣れておらず、「こんなに反応をくれるなんて、本條佳花さんという方は、自分を好きに違いない!」と、素敵な勘違いをしてしまいました。

これは会いに行くしかないと思い、すぐに特典会でご挨拶。そこからリトルモアとの縁がはじまります。ただこの時点では、まだインフィ以外を応援する余裕はなく、リトルモアも「その他大勢のグループ」のひとつでした。

それが「好き!」になったのが、昨年末のライブで、メンバー全員と話したときです。なぜ全員を回ったかというと、これも単純な話で、リトルモアについて書くと、必ずといっていいほどメンバー全員から反応があったからです。「メンバーみんな、わたしのことが好きなんだ!」と、またも勘違い。もう本当に、この頃の自分はちょろかったですね(今もか)。

このとき印象深かったのが、小平明日香さん(以下あすぴさん)。あすぴさんは、はじめましてにも関わらず、名乗る前に名前をあててくれました。なぜわかったのか、今でも謎です。あすぴさんだけでなく、みくりさんも、杉原莉夏さん(以下りなさん)さんも、当時所属していた星野桃叶さんも、「ブログを書いている人」として認識してくれていました。

それがあまりに嬉しくて、一度話したことのあるよっぴさんに報告。「皆さん知ってくれてて驚きました」と伝えると、よっぴさんは「あなた有名人よ」とひと言。リップサービスなのはわかっています。でも、その言葉ですっかり舞い上がったわたしは、リトルモアの沼に一気にハマりました。

このときにはもう、リトルモアは「その他大勢のグループ」ではありません。常に予定をチェックする、大事なグループになりました。

だからインフィが解散したとき、次はリトルモアに集中しようと思いました。もちろん、インフィの代わりではありません。インフィの解散の傷は癒えることはない。きっと、いつまでも寂しいです。それでも、同じぐらい応援したいと思えるグループがいる。その事実がモチベーションであり、支えでした。

4月1日。インフィが解散した翌日です。リトルモアの無料公演に行きました。そこで改めて、これからグループの未来を見れる幸せを感じました。大切なグループが解散したからこそ、今のありがたみがより身に沁みます。もう見逃さない。これからその活躍を見届けよう。こんなすばらしいグループに出会えたのだから。そう固く心に決めました。

そして、そのわずか1週間後。

リトルモアの現体制終了が発表されました。

「普通」から「特別」へ

リトルモアの結成は2015年。その長い歴史の、ほんの一部にしか触れていません。そんな短い付き合いで、なにをそんなにショックを受けるのか。そう思われてもしかたないぐらいに、刹那とも言える関係でした。

リトルモアは解散するわけではありません。小林みくりさんは残ります。その先も応援していくつもりです。でも、今のリトルモア、好きになったリトルモアと形が変わるのは明白。現体制リトルモアと歩み未来は、ここで途絶えました。

結局またです。インフィと同じ。結局また、少しの時間しか一緒にいれなかった。なんでもっと早くに知れなかったのだろう。そうすれば、もっと思い出を重ねられたはずなのに。どうしようもない後悔ばかりが襲ってきます。

自分のわがままなのは承知しています。自分の都合でグループの舵取りが決まるわけではありません。でも、「なんでこのタイミングなんだよ!」と、恨みの感情もわきました。2ヶ月連続で大切なグループがなくなる現実に、心はずたずたです。

それが原因ではありませんが、現体制終了が発表された直後に、体調を崩しました。もう見ることのできない現体制リトルモアのライブ。その大事な期間に、2週間ほど身動きできなかったことで、さらに後悔が募ります。

インフィの解散ライブは、コロナに感染し、見ることができませんでした。それは今でも、しこりのように残っています。たとえどんなに寂しくても、最後の瞬間は目撃したい。その思いで必死に治しました。

ここだけの話、ライブ当日、完治はしていませんでした。でも、人にうつる病気ではなく、薬で抑えられる症状だったので、最終的に参加を決めた経緯があります。

たとえ刹那の繋がりだったとしても、リトルモアは、それほど特別なグループになっていました。

君と飛ぶ、遥かな未来

ライブ当日――。

会場に入り、ステージに向かって、右側の後方に座りました。どの会場でも、この位置が一番落ち着きます。あすぴさんから、「いつも同じところにいるよね」と笑いながら指摘されたことを思い出しました。本当にあすぴさん、よく見てらっしゃる。

この日、リトルモアのライブで、はじめてペンライトを振りました。メンバー全員に思い入れがあるので、特定のだれかを振るわけにはいかない。それが今まで振らなかった理由です。

でも、今日がラスト。後悔のないように、全メンバーの色を振りました。余談ですが、終演後の特典会でりなさんから、「白振ってくれてたよね!」と、すごく嬉しそうな顔で言われ、ああ、なんで今までちゃんと振らなかったんだろうと、激しく後悔しました。まったく何回後悔すれば気が済むのか。

ライブは本当に楽しかったです。寂しさを感じる場面はあっても、それ以上の楽しさで、最後まで涙が出ることはありませんでした。それどころか、ますますリトルモアが好きになっていきます。見る者の心を奪う、大好きにさせる、そんな、「好きな人の前でもう少しだけ可愛くいたいピュアな女の子」たちに、また恋をしました。

リトルモアに何度助けられたか、何度励まされたか、何度勇気をもらったか。インフィが解散を発表したとき、心配してくれたのがリトルモアでした。励ましてくれたのがリトルモアでした。そして、苦手なライブハウスや声出しライブに行く勇気をくれたのがリトルモアでした。

「君」の笑顔が、みんなの笑顔が、本当に好きでした。

このステージで、現体制のリトルモアは終わります。でも、記憶のなかでリトルモアは残り続けます。そして、リトルモアの足跡が消えることもありません。心に確かに刻まれています。それはつまり、いつまでもそばに、「君」がいるということ。

そう、未来は閉ざされてなどいません。ここはリトルモアの着地点ではなく出発点。メンバーは笑顔で、それぞれの道に進みます。未来は続いていきます。ファンも同じです。リトルモアからもらったものを抱えて、これからも歩いていきます。

そのそばには、「君」がいる。
「君」は、グループであり、メンバーであり、スタッフであり、そして、ファン。


ライブを見終えたとき、たとえどんなに遠くても「君」がいるなら、遥か未来へ飛べる気がしました。

littlemore.で世界は変わる

終演後、それぞれのメンバーに長蛇の列ができました。リトルモアに出会い、ひかれ、その晴れ舞台を見にきた人たちであふれています。

あすぴさんの列で、ひとつ前に並んでいた若い男性が、あすぴさんと話している間、顔を両手でおさえ、ずっと泣いていました。あまり凝視するのも良くありませんが、その光景はとても素敵に見えました。

アイドルとファンは、とても儚いものです。些細なことでその繋がりは失われてしまう。それでも、心から震えるほどの感動や、顔を見れないほどの涙を教えてくれる。儚くも尊い。それがアイドルとファンの関係です。

あすぴさんだけでなく、他のメンバーもきっと、そんな関係を持つファンに囲まれていたのでしょう。思い出したくないような辛い記憶があっても、くじけずに走り続けてきた答えが、ここにあります。

思い返せば、リトルモアの現場は、いつも暖かな空気が流れていました。

ファンは風です。グループを後押しする風です。でもその風は、ときに逆風になってグループの足を引っ張ったり、壁になって新規をはねのける邪魔者にもなりかねません。

「りとるもあふぁみりー」の作り出した風はどうだったのか。それはこの会場の空気を見ていればわかります。決して間違った方向に風は吹いていませんでした。正しき風が、リトルモアを空高く舞い上げ、今日このときを作り出していました。

だからこそ、寂しさよりも楽しさ、幸せな気持ちが上回る空間ができたのだと思います。

自分もその風の一部になれたかな。そうだったら嬉しいな。

そんなことを思いながら、現体制の最後を見届けました。寂しさがないと言ったら嘘になります。でも、これだけの寂しさを与えてくれるグループに出会えたことが、本当に幸せです。

この幸せな記憶、風になって、必ず未来に運びます。

なぜリトルモアの現体制が終了するのか。それはわかりません。本人たちが語らないのなら、知りたいとも思いません。最後まで走り抜けて、思い出と未来を語ってくれた。感謝を伝える場を作ってくれた。それだけでじゅうぶんです。

ところで……。

リトルモアって良いグループ名ですよね。littlemore.を和訳すると「もう少し」。これって人生の教訓だと思います。

これからの未来、たくさんの選択肢が目の前に現れます。もう少しの努力や、もう少しの勇気で、人生は大きく変わっていく。その教訓とともに、リトルモアはいつでもそばで、わたしたちを支えてくれます。

悩んだとき、リトルモアを思い出しましょう。

littlemore.で世界は変わる。

そう教えてくれた5人に、素敵な未来が訪れること、心から願っています。

出会ってくれて、すばらしい世界を教えてくれて、ありがとうございました。

最後に

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。最初にも書きましたが、あいかわらずレポートじゃないですよね。でもこういう読み物があっても素敵やん?(自己弁護)。

さて、ここからはちょっとラフに、今の心境を軽く書いて終わりにしたいと思います。

リトルモアの現体制ラストライブが終わって1週間が経ちました。あれからライブには一度も行っていません。仕事が忙しかったとか、実家に帰ったとか、体調が思わしくないとか、理由はいろいろあるのですが、一番大きな理由は、モチベーションの低下です。

いや、びっくりですよね。かわいい女の子はみんな大好き!とか言っていたのに。

見たいグループや会いたいアイドルさんはいます。でも、インフィ、リトルモアと、自分のなかの軸が立て続けになくなってしまい、目的を見失っている状態です。

インフィとリトルモアの現場は、いわばホームでした。帰るべき家です。その家があるから、どこにフラフラしても、必ず帰ってこれました。今はその家がない状態です。どこに帰っていいかわからない。そのフラフラした気持ちがモチベーション低下に繋がっています。

とはいえ、アイドルは好きなので、どこかのライブに行けば、また気持ちが復活するとは思います。ただ、「家」と呼べる現場に出会えるかどうか。これはもう運ですよね。無理やり見つけるものでもないと思うので、風の吹くまま、気の向くままに、いつか出会えるのを待ちます。

卒業したメンバー、リトルモアの新たな旅立ちと同じように、わたしが今後どうなるかもチェックしてください。興味ない?まあまあ、そう言わずに。

もし、どこぞの現場で重なったら、「家は見つかりましたか?」と聞いてみてください。「うへへ……」と、気持ち悪く笑うことでしょう。

でも、うん。

帰れる場所は、なくなってないですよね。

いつだって、ここにありますから。

「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。わかってくれるよね?リトルモアにはいつでも会いに行けるから。」

最後の最後にガンダムネタ!

でもそこにシビれる!あこがれるゥ!

え?こんな終わり方なの?

終わりです!いや終わってないです!リトルモアだって、卒業したメンバーだって、ファンの皆さんだって、みんなみんな、これからですよ!

またどこかで必ずお会いしましょう!

フリーハンドの夢は終わらない!

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