2022年4月26日「littlemore.無料公演(~きっと汗かく公演編~)新宿FATE」ライブレポート――その「声」が、「推し」を輝かせる

2022年4月26日に新宿FATEで開催された「littlemore.無料公演(~きっと汗かく公演編~)に行ってきました。

このライブは、マスク着用で声出し可能。コロナ以前では普通だった光景ですが、コロナ真っただ中にライブに行きはじめた自分としては、その文言にびびってたじろいでしまいます。

実は、アイドルのライブに行くのが怖くてしかたない時期がありました。その理由をひと言で言えば、社交不安障害(SAD)という病気をもっているからです。詳しくはこちらの記事に書きましたので、もし興味があれば。

今はだいぶ慣れてきましたが、それでも、人の少ないほうに行き、なるべく囲まれないように気を付けています。見えにくくても、周りの目を気にするぐらいなら、最後方のほうが落ち着いて見れます。

そんな自分なので、声出しというだけで、正直、敬遠したくなります。でも現体制のリトルモアを見れるのは、本当にあとわずか。ただでさえ病気で、見る機会を逸してきました。それに、なにも命の危険があるわけじゃありません。何事も経験。本当に苦痛なら、今後また考えればいいだけです。

まずは、リトルモアを見ること。それが最優先です。

そして、声出しOKの現場で見た光景。

それはリトルモアの、アイドルの、まばゆいほどの輝きでした。

いまこのときに全力を

会場の新宿FATEに着くと、開演前から、いつもと違う熱気がありました。よーし全力で叫んでやるぜ。そのオーラが漂っています。

これは場所を選ばないと迷惑になるな……。

そう思い、前のほうに余裕がありましたが、あえて一番後ろにいました。一番後ろといっても、目が悪い自分でも、はっきり顔が認識できるぐらいの距離感です。新宿FATEは、今まで行ったライブハウスのなかで、一番小さな会場でした。その分、演者と観客の一体感がすごかったです。

ライブがはじまると、喉がつぶれるんじゃないかと思うほどの声があちこちであがります。明日のことなんて考えていない。今日このとき、目の前の「推し」に、全力でぶつかる。その様は、とてもかっこよかったです。まさに一体となって盛り上がるステージに胸が熱くなりました。

途中、何度もメンバーと目が合いました。この距離です。きっと会場の全員を見渡して、視線を合わせているのだと思います。そんなメンバーの表情を見ていると、急に込み上げるものがありました。

みんな笑顔です。当然今までのライブだって笑顔でした。リトルモアの優しい笑顔で、いつも会場を包んでいました。

でも今日は、なにかが違います。その笑顔が、ずっと魅力的に見えました。

最初は、現体制終了が発表され、気持ちに区切りがついたからだと思いました。けど、たぶん違います。違うと思います。

メンバーの最高の笑顔を引き出したのはきっと、ファンの声です。

名前を呼んでもらえる幸せ

まだ地下(ライブ)アイドルの現場に行ったことのない頃は、全員がいわゆるヲタ芸をするような、そんな修羅場を想像してました。でも実際は、まったくそんなことはありません。

完璧なフリコピをする人もいれば、サビだけ小さく真似する人もいる。ペンライトをぶんぶん振り回す人もいれば、微動だにせず仁王立ちの人もいる。本当にいろいろな人がいます。だから、周りを気にしている人もあまりいません。自分自身が楽しむことに全力を尽くしているからです。

でも、いろいろな楽しみ方があるにも関わらず、「声を出す楽しみ」は、コロナによって奪われていました。名前を呼ぶことすらできません。そこに全力を尽くしていた人は、さぞ歯がゆい思いだったでしょう。

今回、ファンの声を全身に浴びてパフォーマンスするリトルモアに、今まで以上の輝きを見ました。名前を呼んでもらえる。曲にあわせて声をあげてもらえる。その反応を受けて、嬉しそうに踊るメンバーの顔がとても印象的でした。そう。その笑顔は、嬉しさからくるもの。だからこんなにも魅力的にうつりました。

ファンはメンバーが幸せになるのが一番の幸せです。その幸せを引き出す声出しOKのライブ。

ああ、これがライブの本当の姿なんですね。

「きてくれることが一番嬉しいんだよ」

ライブ終了後、ひとりのファンの方とお話しました。その方は汗びっしょり。まるでサウナから出てすぐのようです。

短い現場経験ですが、こんなに汗だくだくの人を、今まで見たことがありません。時間にして30分ぐらいのライブです。そんなに熱い会場でもありません。それなのにここまで汗をかく。ライブの充実感が伝わってくるようでした。

声出しに関しては、いまだに賛否両論があります。時勢的にはもちろん、自分のように声出しの現場を敬遠する方もいると思います。

でも、声出しは決して強制ではありません。フリコピだってペンライトだって、誰も強制はしていません。もし強制するような輩がいたら、そんな現場には二度と行きたくありません。

もちろん、場に合わせることも必要ですが、明確にルールを破ってないのであれば、どんな楽しみ方も自由です。今回も、わたしは声を出していません。それでもじゅうぶん楽しめました。なので、現場の空気が合わなそうだから行かないは、もったいないと思います。

以前、あるアイドルにこう言われました。後方彼氏面の応援スタイルが急に不安になって、「こんな見方ですみません」と、おもわず謝ってしまったときです。そのアイドルは、目をじっと見て、真剣な表情で伝えてくれました。

「きてくれることが一番嬉しいんだよ」

この言葉が、いまの自分の基準です。そのうえでどう楽しむか。汗まみれになって応援するか、そのパフォーマンスをじっと見つめるか。それを決めるのは誰でもない、自分自身です。

今回は声出しがアイドルを輝かせるという文脈で書きましたが、輝かせるのは、なにも声だけではありません。ただそこにいる。それだけも力になっていると思います。いや、きっとそうです。

リトルモアの笑顔、アイドルの笑顔は、ファンの存在あってこそ。そう感じたライブでした。

その日までlittlemore.

今回、特典会はパスしました。病み上がりというのもあって、途中で調子を悪くしてしまい、このままでは楽しくお話しできないと思ったからです。青い顔で、「きょきょきょきょうは楽しかった……ばたり」なんて最低じゃないですか。

というより、気を遣わせてしまうのが申し訳なかったからです。みんなすごく優しいのはわかっています。ちょっとの変化でも気づいてくれる。なので万全のときに、一番伝えたいことを伝えにいきます。

ありがたいことにまだ会える機会はあります。少なくてもあります。その1回を1回を大事に、現体制ラスト公演を迎えたいと思います。

リトルモアについては、ラスト公演のあとに、もうひとつ記事を書く予定です。グループやメンバーの思い出はまたそのときに。

さあ、本当にもう少しですね。心の準備なんてまるでできていませんが、いまのリトルモア、しっかり目に焼き付けます。

わたしが好きになったのは、

本條佳花さん、小林みくりさん、小平明日香さん、杉原莉夏さん、
そして、
星野桃叶さんのリトルモアですから。

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