若い頃、大人のお店……風俗大好き人間でした。もちろん結婚する前です。そこは掘り下げないでください。話が進められません。これから書くのは結婚前の話です。いいですか?絶対ですからね?
今回は、ある風俗嬢に教えてもらったことを書いてみます。その教えは、「ドルヲタ」にも通じることであり、引いては、人生にも役立つことでした。
なお、ここからの内容は、若干、性的な表現を含みます。また、かなり昔の話なので、忘れている部分は盛っています。あらかじめご了承ください。
厄介な客、厄介なファン
風俗はお金がかかる遊びです。よく行っていたお店は、1時間10,000円~15,000円ぐらいだったと思います。もう十数年前の話なので、今は変わっているかもしれません。
お金がないくせに風俗に通っていたわたしは、なんとか元を取ろうとしました。女の子にがっつきまくり。相手のことなんて考えません。払ったお金以上に気持ちよくなるんだ!と、自分のことばかりを考えていました。
タイムリミットは1時間。この時間には、プレイ前後のシャワータイムだったり、着替えの時間も含まれます。女の子に触れるのは実質40分ぐらいところでしょうか。1分も無駄にできません。むさぼるようにその体を味わいました。
振り返れば、その行為は厄介そのものでした。相手のことを考えない、自分のことばかり考える厄介です。
アイドル業界にも、厄介なファンはいます。たとえば説教厨。わざわざダメなところを指摘して困らせる。本人にしてみれば、「推しのため」かもしれませんが、結局のところ、説教している自分に酔っているか、誤った方向性でアピールしているだけです。
相手に注意するのは、とても難しいことです。ちゃんと的を射ないといけない。それができないのなら言うべきではありません。間違った指摘が、さらなる悲劇を生むことになります。
そしてわたしたちはファン、アイドルの裏事情を知ることはできない。つまり的を射る指摘が非常に難しい。それなのに説教をしてしまう。
結局、ひとりよがり。自分のことしか考えていない。それが厄介の特徴のひとつです。
そう考えると、あの頃の自分も確かに厄介でした。風俗嬢のことなど考えず、ただただ自分の欲を満たす。満たしてもらう。それだけを考えていました。「こっちは高い金を払ってるんだから言うこときけよ」。そんな最低の思考です。
アイドルに対して同じような思考の方もいると思います。つまり、「応援してるんだから〇〇しろよ」的な発想です。自分もあの頃の考えのままだったら、アイドルにとって厄介なファンになっていた可能性が高いです。
でも、そうはなりませんでした。
……なってないはず。
自分が厄介だと気づいたきっかけ、それはある風俗嬢との出会いでした。
その方を「Aさん」としましょう。
Aさんは、こう言いました。
「ひとりよりもふたりのほうが気持ちいいでしょ?」
ひとりよりもふたり
はじめてAさんとイチャイチャしたとき、他の風俗嬢にもそうするように、がつがつとその体を責めました。相手の顔も反応もほとんど気にしません。欲望のままに動きます。
そのとき、Aさんはやんわりとわたしを手で押しのけました。こっちは金を払った客だぞという頭があったので、拒否されるなんて考えてもいません。でもAさんは、拒否の意思を示しました。
固まるわたしに、Aさんは優しく言いました。
「一緒に気持ちよくなろ?」
一緒に……?
それまで、自分のことしか考えてこなかったわたしです。どうすれば相手が気持ちよくなるのか、まるでわかりません。AVは山ほど見てきました。女の子を気持ちよくする方法は知識として知っています。でも実践したことはありません。そもそもAVがそのまま通用するのか……。
急になにをしていいか、わからなくなりました。プチパニックです。体に触れるのすら怖くなりました。
そんなわたしに、Aさんは丁寧に教えてくれました。どこをどうすればいいのか、力加減、その際の注意など、事細かに説明して、実際に体で教えてくれる。ときおり、「じょうずだね」なんて言ってくれるものだから、こちらも徐々にハッスルしてきます。
そして自分だけでなく、お互いに気持ちよくなれた瞬間、今までとはまるで違う幸福感に包まれました。
そこで言われたのが、先ほどの言葉です。
「ひとりよりもふたりのほうが気持ちいいでしょ?」
間違いはありませんでした。気持ちよさのレベルが違いました。相手が気持ちよくなってくれる。それがこんなに自分にとっても気持ちいいことだと、このときはじめて知りました。
それから、自分で言うのもなんですが、本当に良い客になりました。最初と最後に必ず何気ない会話をする。プレイ中も、相手を気遣いながらリミットを解除していく。優しく、丁寧に、高めあう。
風俗嬢もその道のプロですから、こちらの意図を察して、徐々に気分を出してくれます。それが演技かどうかはわかりません。でも、ひとりよがりだった頃と比べて、女の子の「良い顔」を見る余裕ができました。
おもえば、表情なんて気にしていませんでした。自分のことしか見えていなければ当然です。そうして顔を見ていくうちに、自分よりも相手が感じることに興奮を覚える性癖になってしまいましたが、それもまたよしです。
こうして、Aさんとの出会いにより、ひとりよがりの厄介から卒業することができました。
幸福倍増計画
皆さんはアイドルを応援していて、どんなときに幸せを感じますか?
華やかな舞台に立ったとき?レスをくれたとき?制服を脱いだとき?
いろいろあると思います。
わたしはこの問いに、こう答えます。
アイドルが幸せなときです。アイドルが幸福を感じているとき、自分も同じように幸せな気持ちになります。
アイドルを幸せにする方法はたくさんあると思います。ライブに行く、ペンライトを振る、フリコピする、特典会で話す、グッズを身につける、リプをする、RTをする、プレゼントを渡す、手紙を送る、イラストを描く……。本当にたくさんです。
わたしの場合は、ブログやtwitterで感想を書き、「こんなすばらしいグループ(メンバー)ですよ!」と発信しています。
実際、それをされたアイドルの胸の内はわからないです。別に書かれても嬉しくないけど……と、思われているかもしれません。でも、面と向かって言われた、「ありがとう。読んだよ。嬉しかった」。その言葉を信じます。直接の言葉を疑いはじめたら、なにも信じられません。
ただ、ここにも厄介の落とし穴があります。
自分の思う幸せが、相手の幸せと一致するとは限りません。
「これがおまえの幸せだ!」と押し付けるのは、ひとりでの行為と同じです。いや、相手がいる分、より悪質です。
せっかく目の前に「推し」がいるんです。その「推し」に、どうすれば幸せになってもらえるか。遠方でも、お金がなくても、絵が描けなくても、文章に自信がなくても、必ずなにかあります。ぜひ、ぐっと考えてみてください。その想像力こそ、より推し事を充実させるカギになります。
もし、アイドルがなにを幸せに思うか。どうしてもわからなければ、直接聞くのもありだと思います。
相手の幸せな顔を見て、自分も幸せになる。
それを見て、相手もまた幸せになる。
幸せは連鎖し、倍増していきます。
ひとりよりもふたり。
推しと幸せを共有し、素敵な推しライフを。
一緒なら、もっと幸せになれるはずです。
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