迫りくるアレと他人のアレに耐えられず――ライブに行かない（行けない）理由

ライブを生で見た経験は両手の指で数えられるぐらいしかありません。はじめて参加したのは堀江由衣さん。それから乃木坂46のライブに何度か足を運んだ程度です。ライブだけではなく、握手会などのイベントも決して多くは行っていません。

「アイドル好きなのになんで？」「行きたいと思わないの？」「推しのために金使えよ！！」という声は山ほど聞いてきました。そのたび「そうだよな行ったほうがいいよな」と思いながらも、なかなか重い腰があがりません。

結論から言えば行きたくても行けない病気なのです。

迫りくるアレ

まず軽いジャブから。

わたし、トイレが近いんです！（軽いジャブか？）

長時間トイレに行けない状況が怖くてしかたありません。先日ディズニーランドに行ったときも、アトラクションに乗る前に必ずトイレタイムです。アトラクション＝トイレで、もはやディズニーの思い出はトイレ。

自分の場合、身体的な問題ではなく精神的なものです。正確に言えば心因性頻尿。すぐに行ける状況なら問題ないのですが、行けない状況を考えるだけでソワソワ。水分をとらないようにしても無駄無駄無駄無駄ァーーーッです。

アイドルイベントは男子トイレが激込みになるじゃないですか。ライブ中に抜けるのも失礼だし、なによりライブ中にトイレに立つなんて考えられません……と思っているうちに、だったらそもそもライブに行かなくてもいいとなってしまいます。

ただこれはあくまでジャブ。なんとか対応（オムツか！？）して行くことはできます。

ライブに行かない（行けない）、一番の理由は……

他人のアレが怖い

社交不安障害(SAD)という病気をご存じでしょうか。一昔前は対人恐怖症とも呼ばれていました。人前で何かをすると緊張してしまい、ひどく苦痛であるか、それから逃げてしまう、避けてしまう状態(避けてしまうことが必須ではありません)のことを言います。

実はわたし、これなんです。

わたしの場合は人見知りというわけではなく、面と向かって話せれば初対面でも特に緊張しません。問題なのは不特定多数の知らない人に囲まれたときです。心臓がバクバクして、じっとしていられなくなります。たとえば、誰かが笑っていれば自分が笑われているように感じるし、スマホを見れば自分が撮られてるように感じる。そんな総合失調症の気配もあります。

ライブで言うと人前でライブを見る。これだけで緊張してしまいます。ライブ中、トイレに行けない理由というのもこの病気のせいです。

荷物が邪魔になってないかな、後ろの人はちゃんと見えてるかな、ペンライトの色は合ってるかな。そんなことばかり考えて集中できない。高いお金を出して参加したのに、後に残るのは「周りの迷惑になってなかったかな」ばかりです。

余談ですが、数年前に応援しているアイドルのイベントがあったときのことです。そのイベントは、商品を購入してはじめて参加券がゲットします。なのでまずは商品を購入しなくてはいけません。

その日、珍しくわたしはイベントに乗り気でした。生で見たいと思えるぐらいに好きだったからです。会場に着くと商品を求めて長蛇の列ができていました。それを見て乗り気だったわたしは……帰りました。なにもせずに帰ったのです。

理由はひとつ。その列を関係のない一般の方が奇異の視線で見ていた。それだけです。こんな朝早くからアイドルのイベントに参加するなんて……そう思われている気がしました。実際はわかりません。でもそう思ってしまったら、もう並ぶことはできませんでした。

はじめての握手会もひとりだと逃げ出すのは確実なので、奥さんについてきてもらうという情けなさ。

とにかく周囲の視線が気になってしかたない。それがライブに行かない（行けない）一番の理由です。

その壁を壊せ

この手の話をすると必ず言われるのが、「おまえのことなんて誰も気にしてないよ！」です。その通りだと思います。でもそれで割り切れれば、はじめから病気になんてなりません。誰も気にしてないと頭では分かっていても、それでも気になり病んでしまうから病気なのです。

この病気に対して薬で症状を抑えることもできますが、成功体験を積むことで克服するやり方もあります。つまり、病気（他人の視線）のことなんて気にならないぐらいのライブを体験する。ライブに繰り返し参加することで克服できるかもしれません。

正直、以前までは別にこのままで良いと思っていました。配信ライブでもじゅうぶん楽しめるし、わざわざ無理して行かなくていいと。

でも、このブログを通じてたくさんのアイドルを知りました。そのなかで現場に行きたい気持ちが徐々に高まってきました。そして、このアイドルのライブは絶対に生で見たい！そう思えるグループにも出会えました。

大事なのは最初の一歩。そこでつまづいたらきっとまた足が遠のきます。でも、一歩を踏み出さなければずっとこのまま。同じところでぐるぐる回り続けるだけです。

現場に行ってみたい。それは心を塞ぐ壁に亀裂が入った合図。壁をぶち壊すのは今なのかもしれません。

あとは勇気だけだ！（byサイボーグ009）

つづく！次はライブレポ……にしたい！