2023年3月18日にSHIBUYA DAIAで開催された『Asterisk*zero成沢くれは生誕祭』に行ってきました。
アスタリを好きになったきっかけは、くれはさんの存在でした。一番後ろで棒立ちのわたしにレスを投げてくれたくれはさん。そこから一気にくれは沼、アスタリ沼にハマりました。
そのくれはさんの生誕祭。
なんと……
S席で見ちゃったのです!!
S席でいいんですか?
S席。それは憧れの場所。でも、自分には縁がないと思っていました。わたしは超がつくほどのDDです。S席はそのグループの熱心なファンがいるべき場所。だからDDの自分にはS席に座る権利はありません。
もちろんそんなことはなく、実際はだれが座ってもいいんですけどね。ただそういう歪んだ固定観念があったので、S席に憧れはあっても、率先して取ろうとは思いませんでした。
しかも今回は生誕祭です。生誕に向けて準備してきた生誕委員の方がたくさんいる。その方たちの間に入るなんて申し訳ない。
と思っていたのですが……
くれはさんの生誕祭でS席に座る自分がいました。16人ほどしか座れない、まさにスペシャルな席です。
もじもじしながら席につくと、とにかくステージが近い。汗が飛んできそうなほどの近さです。こんな近くで見れるのか……はじまる前から震えました。
また、それ以上にビビったのが周りの雰囲気。全員ではないですが、生誕Tシャツを着こんで、まさに歴戦の兵(つわもの)然としています。完璧なフリコピをするヲタクさんもちらほら。
一方自分は普段着でS席もはじめて。フリコピなんてできません。簡単なフリに合わせてペンライトを軽く振るぐらいのヲタクです。果たして自分はここにいていいのか……。せっかくのS席なのに弱気の虫が顔を出します。
当然……すべては考え過ぎです。S席はだれが座ってもいいし、そこでどう楽しむかもその人の自由。会場の定めたルールと、人としてのモラルを最低限守れば、周りなんて気にする必要はありません。
それでも気にしてしまうのが自分というヲタクでして……。
少しでも居心地の悪さを拭うべく、隣に座ったヲタクさんに話しかけました。
「実はS席はじめてで……」
突然そんなことを言われても普通困りますよね。それでもその方は優しく接してくれました。いろいろお話してくれて、最後に「楽しんでくださいね」とひと言。
その言葉で少しだけ迷いが晴れました。楽しむ。そうだ、楽しまなくちゃ。
そして、開演を告げるSEが鳴り響きました――。
…………終わった
まず最初に謝ります。ライブレポートなんてタイトルをつけましたが、レポートすることはほとんどありません。なぜなら、記憶が吹っ飛んでいるから!!
いや、これ本当なんです。一瞬で終わってしまいました。で、その間の記憶がほとんどないのです。無料配信の映像を後から確認して、この曲あったんだ……と気づく始末。お楽しみのカバー曲とかびっくりするぐらいに覚えていません。
楽しかったかと聞かれれば、もうめちゃくちゃ楽しかったです。それは覚えています。くれはさんはもちろん、メンバー全員と目が合いまくりました。見つめ合っちゃったりもしました。ただ、どの曲のどの場面で目が合ったのか、見つめ合ったのか、その大事なところがすべて記憶から消去されています。そんな最高の記憶を失うなんて、まじでなにやってんのよヲタク。
でも、これがS席の世界。記憶を失うだけの衝撃の世界です。高いお金を払って買う意味がわかりました。表現は悪いですが、麻薬みたいなものかもしれません。一種のトランス状態になれる。普段見ているライブの風景とはまるで違いました。
アスタリはパワーがあります。最後方にも届く勢いがあります。なにせアスタリとはじめて出会ったとき、フロアの一番後ろにいた自分に、アスタリのパフォーマンスが、そしてくれはさんのレスが刺さったのですから。
それをS席でもろに浴びたわけです。正常でなんていられません。
つまり記憶を失うほど楽しかった。アスタリはすごかった。主役のくれはさんは輝いていた。そういうことです。
記憶から消えても、心に確かな感動が残る。
それが初のS席体験でした。
走り書きしたメモ
約1年前のわたしはペンライトを持たず、フロアの一番後ろで棒立ちがデフォルトでした。そこでライブのジャマにならないよう、気になったグループやメンバーをさっとメモします。
アスタリについてもたくさんメモしました。曲が良い、熱い、ファンの盛り上がりすごい。思ったことをそのままの言葉で残しています。
ただ途中までメンバーについてのメモはありませんでした。なぜかというと、アスタリは衣装でメンバーの判別が難しいからです。他のグループなら、「青、良い!」と書けますが、アスタリはそれができない。
そのなかでひとり、強烈に気になるメンバーがいました。遠くにいる自分に何度も目線を投げてくれるのです。恥ずかしくて見て見ぬふりをしても、気づけばこちらを見ている。表情も豊かで、見ていて飽きることがありません。なによりすごく楽しそうでした。
最後の自己紹介、そのメンバーが名乗ります。
「成沢くれはです」
くれは!!
メモ帳に走り書きして、大きく〇で囲みました。このメモはいまだに残っています。それが最初の出会い。そのあと何度かライブを見て、感想を書いて、ようやく特典会でご挨拶。くれはさんはすぐに「ブログの人だ」とわかってくれました。惚れました。
それからアスタリのライブに行くたびくれはさんとお話をして、そして生誕祭をS席で見るまでに至ります。
生誕祭後の特典会。生誕ドレスを着たくれはさんはとても綺麗で、近づくだけで緊張しました。くれはさんの笑顔に慣れるなんてことはありません。いつでもドキドキさせてくれます。
「生誕祭、一瞬でした」
その言葉に嘘はありません。一瞬どころか記憶にほとんど残っていない……とはさすがに言えませんでしたが。
マスクを外したくれはさんの眩しさにくらくらしながら、誕生日当日だったことを思い出し、慌ててお祝いの言葉を伝えます。
「お誕生日おめでとうございます。素敵な1年になりますように」
するとくれはさんは間髪入れず、
「一緒にね!」
と手を振ってくれました。
まだくれはさんと出会って1年も経っていません。ファン歴としてはまだまだです。けど、S席に座ることと同じで、そんなの関係ないですよね。もっと一緒の時を過ごしたい。心からそう思いました。
くれはさんに出会えて、アスタリに出会えて、本当に幸せな日々です。
あのときあの場所でレスをくれてありがとうございます。
あの日のレスが、「一緒の未来」に繋がりました。
小さな星の歌
「すぐいなくなっちゃう人も多いから少し不安だよ」
以前くれはさんに言われたことです。すごい勢いでアスタリにのめりこんだ分、すごい勢いでいなくなるかもしれない。それを心配したのかもしれません。
アスタリがデビューしたのは2019年4月30日。くれはさんは最初のメンバーでした。アイドルとして走り出してもうすぐ4年です。
その間にいろいろな別れもあったと思います。アイドル側は基本的に引き止めることはできません。いなくなる理由もわからない。自分たちのパフォーマンスが悪かった。そう思うこともあるはずです。
それでも立ち止まらずに進んできたからこそ、いまここで出会うことができました。
わたし自身、先のことはわかりません。ただアスタリに飽きる、くれはさんに飽きることはないと断言できます。なぜならアスタリはいまも進んでいるから。同じ場所で同じ楽曲を披露したとしても、同じパフォーマンスは二度とありません。常に進化した姿を見せてくれます。
それは成沢くれはという小さな星の物語。
アスタリもくれはさんも物語の途中。
その先になにがあるのか、見届けさせてください。
誕生日は新たな章のはじまり。
ここからだ――走りだせ――
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