Asterisk*zero(アスタリスクゼロ)現体制終了について

2023年4月30日、Asterisk*zero(アスタリスクゼロ)が6月16日をもって現体制を終了することが発表されました。

現体制終了といっても、実質、解散のようなものです。

一宮のりかさんは同事務所に残るも、アスタリをデビューから支えてきた椎葉彩さんは卒業及び引退、成沢くれはさんと小松かやのさんは卒業並びに退所。もし今後、新体制としてアスタリが始動しても、それは果たして「Asterisk*zero」なのかという思いがつきまとうことになります。

だから解散。そう受け止めたほうが自分のなかですっきりします。

Asterisk*zeroは6月16日、記憶の存在となります。

苦しい日々と振れなかったペンライト

現体制終了のお知らせのなかにこんな一文があります。

「メンバー4人に関しましては、運営が納得し得る質の高いパフォーマンスを常に展開してくれましたが、なかなか結果につながらない苦しい日々を過ごして参りました」

アスタリのパフォーマンスはすばらしかったです。まだアスタリを知らなかった頃のわたしにも、それは刺さりました。刺さったからこそ今こうしてファンでいられます。ファンになったあとも、アスタリのライブはいつも満足感がありました。

でも右肩上がりで人気が出ていたかというと、決してそうではありません。お知らせの言葉を借りれば、まさに苦しい日々です。

わたしは仕事柄、平日昼間のライブによく行っていました。そんな時間ですから、どのグループも厳しい集客です。もちろんアスタリもそう。どう贔屓目に見ても寂しい現場が多かったです。熱いファンの方々が盛り上げていても、その場でおさまってしまう。火が広まっていかない。それはだれよりメンバーが感じていたはずです。

そのアスタリのライブで、すごく後悔していることがあります。まだ、わたしが周りの目を気にしながらペンライトを振っていた頃です。

仮面女子という有名グループにはさまれる形でアスタリが出演したライブがありました。会場は仮面女子ファンで埋め尽くされています。アスタリのファンは数人程度しかいませんでした。

今なら、「アスタリの良さを広めちゃる!!」と逆に燃えたでしょう。それこそひとりだって振ります。その光がメンバーの支えになることを知ったからです。

でも当時のわたしは、ペンライトをそっとカバンにしまいました。振ることができなかったのです。それを今でも後悔しています。

終演後、罪滅ぼしのつもりでメンバー全員に行きました。特典会にくる人も少なかったです。自分ひとりでくるくる回りました。帰り際、のりかさんに「またね!」と大声で声をかけられました。会場を後にするファンに声をかけるなんて、そうそうありません。周りの、おそらく仮面女子のファンの方々が一斉にこちらを見たのを覚えています。

そのことがより一層、みじめに感じました。メンバーと一緒に戦わなかった。逃げ出してしまった自分が本当に恥ずかしかったのです。

それからです。どんな現場でも臆せずペンライトを振るようになりました。

ただ、このことは一例でしかありません。もっと厳しい現場でライブをした経験も数多くあると思います。

だからワンマンライブが恵比寿リキッドルームという大きな会場で開催されると聞いたとき、最初に思ったのは喜びよりも、「だいじょうぶかな」という不安でした。

でも結果として、ワンマンは大成功。アスタリの未来を照らすライブになりました。

ただ……

そのライブにわたしは行けませんでした。

「必ずもっと大きな舞台で」

どれだけワンマンを楽しみにしていたか。メンバーにもスタッフさんにもしつこいぐらいに伝えてきました。しかし父の不幸と重なり、ワンマンに行くことはできませんでした。喪主のわたしがまさか家から離れるわけにはいきません。しかたないです。

ワンマンが終わって数日後、やっと東京に戻ってきて、すぐにアスタリも出演するライブに行きました。そこでわたしは何度もくれはさんに「悔しいです!」と言いました。くれはさんを悲しませるだけなのに、その気持ちをおさえられませんでした。

けど、ワンマンの大成功は聞いていましたし、必ず「次」があると思っていました。アスタリならもっと大きな会場でワンマンができる。そのときに行けばいい。それが自分の支えでした。くれはさんにもそう伝えました。ネットでもメンバーにわかるように「次こそ!」と熱く書きました。それからライブに行くたびに「次!」と期待をかけていました。

いま考えれば……

そのときにはもう現体制終了の決定がされていたのかもしれません。わたしが語る「未来」をメンバーの皆さんはどう受け止めていたのでしょうか。

まさか「もう未来はないんだよね……」と言うこともできません。無責任な明るい未来の押し付けに胸を痛めていたのだとしたら、本当にやりきれません。

ただ、成沢くれはさんが現体制終了のお知らせのなかで、こう書いていました。

「みんながキラキラした目で未来の話をしてくれて嬉しかったし私は一緒にその未来を作りたかったです」

少しだけ……少しだけ救われた気がしました。未来の話を嬉しかったと言ってくれたこと。一緒に未来を作りたかったと言ってくれたこと。それはきっと、くれはさんの本心だと思ったからです。

くれはさんの生誕祭で、くれはさんに「素敵な一年になりますように」と伝えたとき、くれはさんは間髪入れずに「一緒にね!」と返してくれました。

まだアスタリは終わっていません。まだ現体制終了まで時間があります。アスタリと素敵な時間を一緒に過ごす時間はまだあります。

アスタリが記憶のなかの存在になる前に、もっと素敵な記憶を増やそう。

やっとそう思えるようになりました。

超新星爆発

2019年4月30日、Asterisk*zero(アスタリスクゼロ)という小さな星が生まれました。小さな星は歌いました。諦めない夢のために、叶えたい夢のために、光を放ち続けました。星は見上げる人を選びません。見上げればいつもそこで輝き、等しく人々を照らし続けました。

そして、2023年6月16日。小さな星は終わりを迎えます。

超新星爆発という言葉があります。質量の大きな恒星が燃焼し尽くし、恒星として死ぬ間際に起こす爆発現象です。

たくさんの人の想いを乗せた小さな星――アスタリの質量は、さぞ増大していることでしょう。だから最後はきっと、銀河を照らすほどの大爆発を起こします。

その瞬間を目撃しませんか。

アスタリは終わりが決まったからといって、そこから手を抜くようなことはしません。絶対にしないと断言できます。どんな小さな会場でも、どんなに見ている人が少なくても、彼女たちはいつも笑顔で、いつも全力で、いつも輝いていました。

そんな彼女たちが最後に見せる大爆発です。一生に一度見れるかどうか。それだけの輝きに満ちたライブになるはずです。

6月16日、池袋Studio Mixa。

アスタリの超新星爆発。
一緒に見届けましょう。

そして――

物語はまた、はじまります。

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