一緒に悔しがったみんなが微笑むまで――AKB48紅白2年連続落選に思うこと

サムネイル画像は公式twitterの情報を引用しています。
引用元:AKB48公式twitter

2021年12月31日に放送される『第72回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表されました。そこにAKB48の名前はありません。2年連続の落選です。

ちょっとまて、なあ、ちょっとまて。司会の大泉洋さん、いや、大泉よ。腹を割って話そうじゃないか!もし断るならここをキャンプ地とする!それかブンブンの刑に処す!

と、「水曜どうでしょう」の名言で問い詰めたいところですが、大泉さんを責めてもどうしようもないので、今回はAKB48の紅白落選について書きます。

まあパイでも食いながらのんびり見ていってください。

2020年を振り返る

まず2020年の落選について。これはしかたないと思いました。もともと落選の兆しは前年からあって、2019年は、『AKB48 SHOW!』、『AKB48のオールナイトニッポン』、『AKBINGO』といった冠番組が次々と終了した年です。また、AKB48の代名詞でもあった『選抜総選挙』が中止になったのもこの年です。

さらに、世間を騒がせた『NGT48事件』も2019年。むしろ、これだけいろいろあって、よく出場できたと思いました。ただ、「紅白世界選抜SP」という企画ありきでしたが。

そこにきて、コロナ禍の2020年。満足な活動ができず、紅白の連続出場は11回でストップしました。

当時、紅白落選に対して、「なんで!?」という気持ちはなく、「そっか……」という思いのほうが強かったです。

歌番組に出ても、過去の代表曲を歌うだけ。「保存会」なんて言葉も生まれました。名曲を語り継ぐためだけのグループ。そんなの悲し過ぎます。現在も活動しているグループなのに、昔取った杵柄でしか評価してもらえない。

でも、AKB48は、長らくそんな状況でした。昔の曲やメンバーは知ってるけど、今のAKBって全然わからないよね。そんな人があふれていたと思います。

それが2020年までのAKB48。しかし2021年、AKB48は変わりました。

新生AKB48の誕生

2021年5月22日、ぴあアリーナMMで『17LIVE presents AKB48 15th Anniversary LIVE 峯岸みなみ卒業コンサート〜桜の咲かない春はない〜』が開催されました。最後の1期生卒業を彩るコンサートは、まさにグループの歴史そのもの。ああ、AKBはすごかったんだと、改めて感じる内容でした。

でも、このコンサートで終わっていたら、AKBは過去にしがみついたままです。すごかったんだ、ではなく、今もすごいんだというのを見せないといけません。

そして翌日、同所で約1年5か月振りとなる単独コンサート『17LIVE presents AKB48 15th Anniversary LIVE AKB48単独コンサート〜好きならば好きだと言おう〜』が開催されます。

怒涛の48曲ノンストップライブ。そこで見せたのは、過去を背負い、未来を切り開くメンバーの必死な姿でした。AKB48は偉大なグループです。どうしたって過去と比べられる。増してや前日に、グループの重みを見せつけられたばかりです。

それでも現役メンバーは、今のAKB48を見せてくれました。必死、がむしゃら、飛び散る汗。AKB48は過去に沈んでなどいない。AKB48は、今ここにいるわたしたちだ。そう言わんばかりのパフォーマンスは、見る者の胸を打ちました。

思えば、このコンサートが、新生AKB48を決定づけたように思います。終盤には、1年9か月ぶりの地上波キー局制作の冠番組も発表されました。

AKB48の再びの躍進。その準備は整いました。

根も葉もRumor

前回のシングルから約1年半ぶりのシングル「根も葉もRumor」。センターは岡田奈々。紅白落選や数々の問題を経て、良い意味でも悪い意味でも注目されるなか、AKB48が出したカードは、「どえらいダンス」でした。

かわいさをかなぐり捨てたかのような振り付け。でも、根底にあるのはアイドルの誇り。歌詞に昔の面影が見えますが、それらもすべてひっくるめて、「今のAKB48」を叩きつける、パワーにあふれた曲です。

この曲からは、メンバーの必死さが伝わってきます。必死で登ろうとしている。AKB48は、かつてアイドルグループのトップでした。今までは、そのプライドがどこかで残っていたのかもしれません。

しかし 、「根も葉もRumor」では、そんな王者の驕りは感じられません。あるのは、挑戦者のまなざしです。余裕ぶってなどいられない。ここで絶対に終わらない。その意思はパフォーマンスに宿り、そして、人の心を揺さぶります。

多くの方が、そんなAKB48を見て、感じるものがあったのではないでしょうか。実際、日本レコード大賞の優秀作品賞にも選ばれました。

でも、紅白歌合戦に選ばれることはなかった。それが今のAKB48に突きつけられた現実です。

2022年12月31日

NMB48に「12月31日」という曲があります。他のグループが紅白に参加するなか、NMB48としてそのステージに立てなかった悔しさを歌った曲です。

大勢の若いアイドルが歌ってる 踊っている 私はどうしてここにいる?

がんばるだけで出場できたら苦労はありません。実際、ファンだからそのがんばりが見えていただけで、世間には届いていなかったのかもしれません。それでも、今年のAKB48には紅白にいてほしかった。そう思わせるだけの力が、今の彼女たちにはありました。

今年こそ 絶対 あの場所に立っている
笑っている 私は自分に約束しよう

総監督の向井地美音は、悔しさを隠さずに叫び、そして「今のAKB48で、あの舞台へ。大きな目標を胸に来年も頑張ります。」とツイートしました。

大きな目標ができたAKB48。

この思いを胸に秘めて
命懸けでやるしかない
あの屈辱
一緒に悔しがった
みんなが微笑むまで

2022年12月31日。みんなで笑い合えますように。

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