描かれたのは彼女たちが「アイドル」になる瞬間――INFIY∞『Moonlight Hero』MVを考察

2022年1月3日、INFIY∞(インフィ)『Moonlight Hero』のMVが公開されました。

『Moonlight Hero』は、INFIY∞で、一番好きな曲です。昨年のINFIY∞リクエストアワーでも、この曲に投票しました。INFIY∞というグループがどういうグループか。それを一番に現した曲だと思うからです。言わば、INFIY∞の主題歌。

そんなグループの名刺代わりになる曲なので、以前から「絶対にMVを作ったほうが良いです!」と訴えてきました。だから、わたしの熱意が今回のMVを生んだのでしょう。皆の者、わたしに感謝するがいい。(石を投げないでください!石を投げないでください!)

さて、皆さんはMVを見て、なにを感じたでしょうか。

かわいい、いや、かわいすぎる、いや、マックスかわいい5人が織りなす爽やかな青春ムービー。その見方は間違っていません。余計な演出を排して、ひたすらINFIY∞の尊さを浮き彫りにした映像は、グループやメンバーを知らなくても、その魅力を伝える力にあふれていると思います。

でも、ただ青春をなぞっただけの内容ではありません。

なんとこのMVには、INFIY∞出生の秘密が隠されているのです!!

統一された制服

ここから先はすべて勝手な考察です。あくまで一ヲタクの妄想と踏まえてご覧ください。

INFIY∞に改名してからのMV(『星降る夜に』『カオス理論』)では、INFIY∞の個性ともいえる、はっきりとした色分けの衣装を着ています。とくに『星降る夜に』は、黒に統一された衣装から、色分けされた衣装にチェンジすることで、より各々のカラーが強調されていました。また、MVだけでなく、INFIY∞は自分たちのカラーを大切にしている印象があります。

しかし今回の『Moonlight Hero』では、全員が最初から最後まで同じ制服を着ている。ワンポイントで個人カラーを示すものもありません。まったく同じ制服です。

いったいそれはなぜか。

「MVの雰囲気に合わせたから色をわける必要がない?」「メンバーの制服姿を見せたかっただけ?」

そうだとしても、そこに意味があると考えたほうがおもしろくないですか。なので考えました。

なぜ、同じ制服を着たのか。はっきりと色を分けたほうがわかりやすく、初見さんにも伝えやすいのに、あえてそれをしなかった理由はなにか。

同じ衣装と聞いて思い出すのが、『with』のMVです。『with』は、「平均睡眠8時間。」時代の最初に作られたMV。まったく同じではないですが、5人とも白い衣装を着ています。その後の『刹那へ』も、私服姿ながら、色分けはされていません。

『Moonlight Hero』はINFIY∞時代の曲なのに、INFIY∞を象徴する衣装を着ることなく、「平8。」を彷彿とさせる作りにした。そこにこそ、このMVの真の意図が隠されていると思いました。

アイドルに変身するとき

『Moonlight Hero』は、ヒーローになって悪者をばったばったと倒す曲ではありません。普通の女の子が、「一番大切な人」のために、誰よりも強くなると誓う歌です。魔法も使えない、特別な能力もない、それでも「君」のためにHeroになる。その決意を込めて、「僕はHero」と自分に言い聞かせるように胸に手を置きます。

MVでは、普通の学生である彼女たちを映し続けます。こんな普通の生活を送る少女たちが、誰かのためにHeroになる。Heroになれる。そんなメッセージを感じました。

そしてそれはそのまま、INFIY∞の強さです。逆に言えば、大切な人のために誰よりも強くなると誓ったから、彼女たちは「Hero(アイドル)」という存在になれた。

つまり、『Moonlight Hero』MVは、彼女たちがアイドルになるまでの物語です。「平均睡眠8時間。」より前の話、だからまだINFIY∞の衣装も着ていません。

そう思う根拠として、INFIY∞のMVには「INFIY∞のロゴ」、「平均睡眠8時間。」のMVにはグループ名が表示されますが、 『Moonlight Hero』では、はっきりとグループ名の表示はありません(張り紙でうっすら示唆される程度)。そのことから、「平8。」でもない、「INFIY∞」でもない時代を映していることが想像できます。

このMVに登場する彼女たちは、まだHeroになっていない。普通の学生です。その普通の彼女たちが、一番大切な人を見つけた。大切な人にどんなときも笑っていてほしい。そのためにHero(アイドル)になった。

実はこのMVには、彼女たちが「アイドル」に変身した、その瞬間が描かれています。

それがこちら。

注目すべきは、後ろの時計です。8時35分。88(3+5)。

そう、このとき彼女たちは、アイドルに、「平均睡眠8時間。」になりました。

このあと、誰かが呼ぶ声に気づいた5人の少女は、さよならと手を振り、「君」と一緒(with)に、旅にでる。旅の途中、「INFIY∞」へとUPDATEを果たし、星降る夜を飛び越え、カオスな理論を組み立て、その旅は閃光へといたる。

そして、2022年1月23日、GradeUPの時を迎えます。

Moonlight Hero

『Moonlight Hero』に映し出されるのは、アイドルになる前の姿。アイドル界という激流に呑まれる前の姿です。これから苦しいことや大変なことが山ほど訪れる。そう思ってMVを見ると、また違った感情になります。

でもだいじょうぶです。わたしたちは知っています。彼女たちが、激流のなか、光り輝くことを。その光に導かれ、たくさんの優しい人たちが集うことを。

以前、KAEDEさんからこんなリプをいただきました。

「かえではみんなが幸せなら幸せなの〜!!みんなの笑顔いっぱい見ることが何よりも幸せなんだよ〜」

Hero(アイドル)になるなんて、簡単なことじゃありません。それでも彼女たちは、君の、あなたのHeroになって、傍にいてくれる。みんな……ファンの笑顔を見ることが幸せだと言ってくれる。きっとそれはメンバー全員が同じ気持ちだと思います。

そんなHeroに出会えて、本当に幸せです。

だから、心から伝えたいです。

ありがとう、Moonlight Hero。

その道が、たくさんの笑顔であふれる未来に続きますように。

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