「心はいつも蒼く澄んだ空のように」――蒼穹アンブレラの初対バンを見て

2023年8月13日、Spotify O-nestにて蒼穹アンブレラのお披露目公演が開催されました。

アーティスト写真を見てぴーんときたグループ。デビューの瞬間に立ち会いたかったのですが、家庭の事情でどうしてもいけませんでした。ならばと初対バン。こちらに行ってきました。

デビューライブは興味のあるファンが集まりますし、雰囲気も暖かったと思います。でも対バンは自分たちに興味のない人がたくさんいる。しかも平日の夕方。さらに近くでは大型サーキットイベントも開催されている。

実際、相当厳しい客入りでした。

試練の初対バンではじめて見た蒼穹アンブレラ。

そこで感じたのは、物足りなさでした。

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アーティスト写真の雰囲気

タイムラインをざっと見ていて、1枚の画像に目が留まりました。それが蒼穹アンブレラのアーティスト写真です。メンバーがかわいい。もちろんそれもあります。でもアイドルは基本かわいいものです。よほど突き抜けない限りそれだけじゃ引っかかりません。

では、そんなにもなにが気になったのか。

雰囲気です。蒼穹アンブレラの醸し出す雰囲気にぐっときました。無理やり言葉で表現すれば、なんだかよくわからないけど心ひかれる。わたしはこの感覚をすごく大事にしています。対バンで初見のグループを見ているときも、「なんとなく気になる」グループはその後もチェックします。

蒼穹アンブレラというグループ名も気に入りました。蒼穹というとファフナーですが(蒼穹のファフナー、名作アニメです)、これからはアンブレラを連想しそうです。

調べると、ポラライトと同じぴーす株式会社。ポラライトも好きなグループのひとつ。となると見る機会も多くなるはず。本腰を入れようと思いました。

ハチ公前での「はじめまして」

渋谷のライブハウスに行くときは、必ずハチ公前で情報収集をします。無銭がっつき乙ですが、ここから通うようになったグループもたくさんあります。実はポラライトもそのひとつ。眠衣えのさんからフライヤーをもらったのがポラライトを知るきっかけでした。

ある日、いつものように無銭がっつき……情報収集をしていたときです。いただいたフライヤーを見てびっくり。それこそメンバーを驚かせてしまうぐらいに飛びあがりました。

それが蒼穹アンブレラとの出会いです。お披露目に向けてビラ配りをしているところでした。

もう大興奮です。メンバー全員に「期待しています!」と伝えました。まじで無銭がっつき乙。ここで話した時間、必ず特典会に行かねばなりません。それがヲタクの使命!

メンバーは一生懸命、名前と顔を覚えてくれようとしました。でもハチ公前です。この場所はきっかけに過ぎません。ライブに通うようになれば自然と覚えてくれます。

ただ……。

アイドルはステージでこそ一番輝く。
通うかどうかの判断は、ステージの彼女たちを見てからです。

雨色のシャンデリア

SNSの反応を見る限り、お披露目公演は大成功に終わったようです。そのあと、「雨色のシャンデリア」MVが公開されました。

透明感のある映像のなか、若葉の瑞々しさをたたえたメンバーが躍動する。蒼穹アンブレラに描いていたイメージ通りの仕上がりに、その姿を早くライブで見たい。素直にそう思いました。

楽曲はどんぴしゃで好みです。衣装も好き。メンバーのことはまだ詳しく知りませんが、これから好きになれる気がします。いや、気がしますじゃなくて、もう好きです。チョロいねチョロいよ。

翌日、全4曲がサブスク解禁されました。けど、あえてそれは聞きませんでした。ライブではじめて聞いてみたかったからです。

初対面は一生に一度のイベント。そこで得た感情もまた一生に一度。曲も同じです。はじめて聞いたときの感想を大事にしようと思いました。

はじめて蒼穹アンブレラを見てなにを感じるのか。自分でもまったくわかりません。だからすごく楽しみでした。

そして、お披露目から4日後。

新宿ReNYにて蒼穹アンブレラは初対バンに挑みます。

対バンの洗礼

この日の新宿ReNY、蒼穹アンブレラの出番は16時40分。平日昼間とあって、全体のお客さんも少なかったです。ペンライトを持つファンの姿もまばらでした。

そのなか、わたしは会場の後ろで蒼穹アンブレラをじっくり見ました。ペンライトを振るのは次で遅くありません。まずは一挙手一投足、目に焼き付けようと思いました。

SEで登場するメンバー。はじめての対バン。はじめての風景。お披露目とはまるで違う景色が広がっていたはずです。そこで彼女たちは一体なにを感じたのでしょうか。

アイドルは華々しさだけではありません。数人のファンしかいない場所でパフォーマンスをしたり、だれも並ばない特典会で立ち尽くす日々が待っています。

希望と絶望の世界に立った彼女たち。

期待と好奇の視線の中心でパフォーマンスがはじまりました。

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なにも伝わらない――

初の対バン。明らかにメンバーの動きは固かったです。フリの間違いも幾つかありました。そのカバーも慣れていない感が出てしまい、見ているこちらが大丈夫かなと不安になるほどです。

楽曲は良いです。それは間違いありません。でもそのパフォーマンスから伝わるものはありませんでした。楽曲の良さを引き出せず、振り回されているようにすら感じました。

アイドルは表現力の世界だと思っています。そのパフォーマンス、その楽曲を通じて、なにを伝えたいか。心に刺さるグループはそれがはっきりしています。

たとえば先輩グループのポラライト。代表曲である『僕らのポラライト』では「あなたに伝えたい気持ち」を熱く響かせ、『リアル』では体が震えるほどのアイドルに対しての覚悟を伝えてくれます。と思えば『コットンキャンディロマンス』ではとろけるかわいさを演出したり。

蒼穹アンブレラのステージには、伝わるものがなかった。それが冒頭に書いた「物足りなさ」の理由です。

ステージが終わってわたしはフロアを出ました。

さて、どう感想を書こうか……。

わたしはひと言、こうツイートしました。

「主現場、増えました」

「いま」を越える

ふらふらといろいろなライブに行くわたしですが、実は「主現場」と呼べるグループはそんなに多くありません。片手で数えられるほどです(それでも多いか……)。

蒼穹アンブレラはその仲間入りをしました。

同情ではありません。不甲斐ないから俺が支えてやるぜ。そんな気持ちもまったくないです。

はじめて見た蒼穹アンブレラは可能性のかたまりでした。ここからどんな成長をしていくのか。それを見たくてしかたありません。

表情が固い、パフォーマンスがぎこちない、なにも伝わってこない……すみません、そんなのさんざん言われていると思いますし、メンバーもわかっているはずです。

それでもあえて書いたのは、絶対に蒼穹アンブレラは成長するからです。今回よりも次回、次回よりもその次。1回1回、絶対に良くなります。

マイナスは転じればプラスです。飛躍前の蒼穹アンブレラ。今を見逃したらもう二度と見れません。思うようにできないパフォーマンスも今だけのものです。それは必ず大切な思い出になります。

だから今こそ、早急アンブレラを見てほしいです。自分も今の蒼穹アンブレラを真剣に追います。そしてメンバーには、今の蒼穹アンブレラを楽しんでほしいです。

できるようになったら、できない頃には戻れません。
できない「今」は今だけのかけがえのない時間です。

「心はいつも蒼く澄んだ空のように」

お披露目公演、初対バンを終え、蒼穹アンブレラはライブアイドルとして歩みはじめました。

この短い期間でも、楽しいことや幸せなことがたくさんあったと思います。同時にたくさんの絶望も経験したかもしれません。うまくいかないことの連続に、迷ったり、惑ったり、心を折られたり……。

そんなとき思い出してほしいです。
アイドルはすごい!ということを。

わたしはアイドルの可能性を信じています。アイドルは笑顔ひとつ、仕草ひとつで誰かを幸せにする魔法使いです。蒼穹アンブレラはそんなアイドルです。すごいアイドルなんです。

この蒼穹――青空は、
これからもずっと。
いつまでもずっと。

たとえ雨降りでも曇っても、
そう青空が隠れても大丈夫。

蒼穹アンブレラを通して見る心は、
いつも蒼く澄んだ空のように。

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